バーデン=ヴュルテンベルク (フリゲート)
バーデン=ヴュルテンベルク | |
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艤装中のバーデン=ヴュルテンベルク | |
基本情報 | |
建造所 | ティッセンクルップ・マリン・システムズ |
運用者 | ドイツ海軍 |
艦種 | フリゲート |
級名 | バーデン=ヴュルテンベルク級 |
艦歴 | |
起工 | 2011年11月2日[1] |
進水 | 2013年12月12日 |
就役 | 2019年6月17日 |
要目 | |
排水量 | 満載 7,316トン |
全長 | 149.5m |
最大幅 | 18.5m |
吃水 | 5m |
機関 |
CODLAG方式、 MTU 20V4000M53Bディーゼル発電機 (2.9 MW) × 2基 電動機 (4.7 MW/6,300 hp) × 2基 LM2500ガスタービンエンジン(20 MW/27,000 hp)× 1基 スクリュープロペラ× 2軸 バウスラスター (1 MW/1,300 hp)× 1基 |
速力 | 26ノット(㏏) |
航続距離 | 4,000海里(20kt巡航時) |
乗員 | 艦乗員120名+航空要員20名+特殊部隊50名 |
兵装 |
64口径127mm単装砲 × 1基 MLG 27 27mm機関砲 × 2門 12.7mmRWS × 5基 12.7mm機銃 × 2基 RAM近SAM 21連装発射機 × 2基 ハープーンSSM 4連装発射筒 × 2基 |
搭載機 | NFH90哨戒ヘリコプター ×2機 |
レーダー |
TRS-4D 多機能型 (AESAアンテナ×4面)× 2基 |
ソナー | CERBERUS Mod.2 対戦闘泳者用 |
バーデン=ヴュルテンベルク(ドイツ語: Baden-Württemberg, F 222)は、ドイツ連邦軍海軍のバーデン・ヴュルテンベルク級フリゲート1番艦。艦名はバーデン=ヴュルテンベルク州に由来する。なお、艦艇名としては、ドイツ帝国海軍やドイツ国防軍海軍を含むドイツ海軍で初の命名である。
艦歴
[編集]2011年11月2日に起工され、2013年12月12日に進水した。海上試運転を受けて2017年12月に就役する予定だったが、機器に設計ミスがあると判断されたためドイツ海軍はこの軍艦の就役を拒否した。船体が著しく右に傾いていたほか、搭載ソフトウエアにバグがあるうえ、見当違いの武器を装備しているという[2]。結局、建造したブローム・ウント・フォスで2年半に及ぶ改修を経て、2019年6月17日で就役した[3]。
2024年、補給艦「フランクフルト・アム・マイン」とともにドイツ海軍によるインド太平洋方面派遣(IPD24)としてインド太平洋地域へ派遣された[4][5]。主要任務は国連安保理決議により禁止されている北朝鮮籍船舶の「瀬取り」を含む違法な海上活動に対する警戒監視活動である[4]。本艦は2023年10月から2024年4月までUNFIL(国連レバノン暫定軍)の海上任務部隊として、東地中海で行動し、スペインのロタ海軍基地でIPD24に向けた準備を行った後、大西洋で「フランクフルト・アム・マイン」と合流した[6]。2024年6月からハワイで実施された米海軍主催多国間共同訓練「リムパック 2024」に参加し、同年8月20日、東京国際クルーズターミナルに入港した[7][8]。8月25日に日本の海上自衛隊横須賀基地に入港し、8月27日に同港を出港、同日から8月29日にかけて、関東南方から沖縄東方に至る訓練海空域おいて実施された日豪伊独仏共同訓練(ノーブル・レイブン24‐3)に「フランクフルト・アム・マイン」とともに参加した。海上自衛隊から護衛艦「いずも」「おおなみ」と潜水艦、P-1哨戒機が参加したほか、オーストラリア海軍駆逐艦「シドニー」 、イタリア海軍空母「カブール」、フリゲート「アルピーノ」、 哨戒艦「ライモンド・モンテクッコリ」 、フランス海軍フリゲート「ブルターニュ」が参加し、各種戦術訓練(対空戦、実艦的対潜訓練、CROSS DECK等)及び PHOTOEXを実施した[9]。
同年8月下旬から9月中旬までの間、補給艦「フランクフルト・アム・マイン」とともに日本周辺海域において、北朝鮮籍船舶の「瀬取り」に対する警戒監視活動を実施した[10]。9月13日にはフィリピンのマニラに向かうため、ドイツ軍艦として22年ぶりに台湾海峡を航行した[11]。同月16日、マニラへ入港した[12]。
ギャラリー
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真珠湾に入港する「バーデン=ヴュルテンベルク」
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RIMPAC2024における射撃訓練の様子
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RIMPAC2024での他国艦艇と航行する様子(左舷側)
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RIMPAC2024での他国艦艇と航行する様子(右舷側)
出典
[編集]- ^ "Letzte Kiellegung der Fregattenklasse F 125" (Press release) (ドイツ語). ドイツ海軍. 29 January 2015. 2015年1月30日閲覧。
- ^ “新型ドイツ軍艦は不合格、背景に何が”. ウォール・ストリート・ジャーナル. (2018年1月15日) 2018年1月15日閲覧。
- ^ 「ニュース・フラッシュ 独新型フリゲイト「バーデン・ビュルデンベルク」Baden-Würtembergついに就役」『世界の艦船』第907集 2019年9月特大号(海人社)p.144
- ^ a b ドイツ大使館 [@GermanyinJapan] (2024年5月8日). "本日、フリゲート艦「バーデン=ヴュルテンベルク」と任務部隊補給艦「フランクフルト・アム・マイン」がインド太平洋方面派遣 #IPD24 の一環として出航しました。". X(旧Twitter)より2024年8月30日閲覧。
- ^ “ドイツ海軍艦艇 日本含むインド太平洋地域へ出港 共同訓練予定”. NHK NEWS WEB (日本放送協会). (2024年5月8日) 2024年8月30日閲覧。
- ^ “北朝鮮の監視以外にも! ドイツ艦隊はるばる来日のワケ 驚きの「日独伊」共同訓練その中身”. 乗りものニュース. (2024年8月22日) 2024年8月30日閲覧。
- ^ “ドイツ海軍艦艇2隻が東京寄港 独准将「インド太平洋地域への関与を可視化」”. 産経ニュース. (2024年8月20日) 2024年8月30日閲覧。
- ^ 駐日ドイツ大使館 [@GermanyinJapan] (2024年8月19日). "インド太平洋方面派遣 #IPD24 の一環として、ドイツ海軍のフリゲート艦「バーデン=ヴュルテンベルク」と任務部隊補給艦「フランクフルト・アム・マイン」は明日10時、東京国際クルーズターミナルに入港いたします。". X(旧Twitter)より2024年8月30日閲覧。
- ^ 日豪伊独仏共同訓練(ノーブル・レイブン24‐3)について (PDF) 海上幕僚監部(2024年8月30日)
- ^ “「瀬取り」に対する関係国による警戒監視活動(令和6年9月13日日更新)”. 防衛省・自衛隊 (2024年9月13日). 2024年9月14日閲覧。
- ^ “ドイツ軍艦、22年ぶりに台湾海峡航行…対中「経済偏重」姿勢の転換印象付ける狙いか”. 読売新聞. (2024年9月14日) 2024年9月14日閲覧。
- ^ 「ドイツ軍艦、マニラに寄港」『日本経済新聞』朝刊2024年9月17日(国際面)
関連項目
[編集]ウィキメディア・コモンズには、バーデン・ヴュルテンベルク級フリゲートに関するカテゴリがあります。